頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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ガンバル・オムニバス #14

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「頑張る」という言葉があまり好きじゃなくなったときがある。それは、海外インターンをしていたとき。鈴木敏夫というジブリの名プロデューサーがこう言ってたから。

「頑張る必要ない。才能出して」

彼曰く、頑張ると疲れちゃう。頑張らなくても才能を出せば、楽して結果が出ると。

良い言葉と出会い、なんか、ニヤってした。それ以来、できるだけ、才能を発揮できるような”場所”に身を置こうとした。

例えば、自分の才能は、発想力。そして、その発想を裏付ける論理性。2つの才能を活かせる「企画」に熱がこもった。そのとき、頑張らなくても結果が出た。

***

そんな僕。実は、就職活動を開始してすぐに、痛い目をみた。海外インターンと同じように、頑張る必要なんてないと思ってたから。自己分析、企業研究はしなかった。疲れるし。

だけど、面接では極端に通らなかった。

なんで?こんな発想力が豊かで、論理性もある「才能豊かな人材」を採らないの?

今思うと、就職活動という”場所”は才能を発揮するだけで、結果が出るような場所ではなかった。というか才能よりも「頑張る」必要があった。

就活は、才能で結果が出る場所ではない。むしろ就活のルールを熟知した上で、自分と向き合う「頑張り」で結果が出る場所だった。

「才能を出せば、結果が出る」と思っていた冬。

涙がこおった。

***

その後の就活のはなし。

いろいろあって、人材コンサルにエントリーした。うわさで、その会社には「熱いひとが多い」と聞いていたから、正直、合ってないと思った。だって、熱いひとは何事にも本気で取り組み、頑張るの大好き!みたいな、イメージ。当時もなんだかんだ「才能を出せば、結果が出る」と思っていて、頑張る必要はないと思っていたから。

だけど、驚いた。

選考を通して、めちゃくちゃ頑張って「自分の良さ」を会社に伝えようとする自分をみた。

それは選考を進み、その会社の人と話す機会が増えるほど。当時、その会社の人はもれなく、自己分析や企業研究を「頑張る」姿を応援してくれた。

振り返る。なぜ、頑張ったのか。頑張れたのか。

思うに、僕は「頑張ること」が怖かったのかもしれない。頑張るとバカにされるような気がして。だから「頑張る必要ない。才能出して」という言葉を聞いたときに、すごく嬉しくて。良いように解釈していた気がする。

でも、その会社の人たちと二人三脚で、選考を進む中で、気づいたこと。

頑張ることは恥ずかしいことじゃない。そう思えたから、頑張ったんだ、自分。

僕は「頑張る」という言葉を好きになっていた。

***

僕は就活を通して、たくさん大事なことを学んだと思う。

その学びの1つとして「”頑張るくらいの価値がある目標”を見つける素晴らしさ」がある。才能だけで勝負する世界は、楽に豊かに過ごせるかもしれない。だけど、頑張るくらいの価値を見出せる”何か”があれば、辛いときでも、歯をくいしばれる。心でわらいながらね。

それは「生きるだけで豊かに過ごせる」わけになる。

今の僕は、ものすごく心があったかいですよ。