頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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漫才の新しいシステム #154

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むかし、オードリーという
お笑いコンビが
M-1グランプリで出てきたとき、
「新しい漫才」を見たような
気になったのを覚えている。

ツッコミの若林が
話していることに、
ボケの春日が茶々を入れる
「ズレ漫才」のスタイルは
新しかった。

今まではというと
しゃべくり漫才
飲みの席の延長のような、
たわいのない話に
ボケとツッコミが盛り込まれる。

中川家ダウンタウン
その良い例だ。
なんばにある劇場で
小さい頃に見た
上方漫才師はほとんど
しゃべくり漫才
だった気がする。
そのスタイルが主流だったので、
違和感があったのかもしれない。

違和感があったものの
おもしろいことは分かっていたし、
実際に審査員の評価も
1番良かった。

***

「うまく伝えるのがむつかしい」ときは、
たいていがおもしろいとき。
漫才だけじゃなく、
新しいシステムが生まれる瞬間では
起こりうる感情だ。

なんと言えばいいか、
分からないけど・・・
すごいねえ、どうやって考えたの?
心がワクワクする。
オードリーのときもそうだ。
新しいからこそ
言語化されておらず、
戸惑った。

今の日本は国として
”保守的”な印象がある。
だから「新しいシステム」に
寛容でない気も否めない。
おもしろいのだけど、
「おもしろい」と言えない感覚。

そのような国で漫才は
スリムクラブ、ハライチ、
霜降り明星といったように、
毎年新たなシステムが現れ
多くのひと受け入れられる。

それは漫才が”コメディ”で
「うまく伝えられないけど、おもしろい」
と素直に認めやすい特性が
あるからかもしれない。

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。
思えば、孤独は美しい。