頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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サンヒョクの愛 #161

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むかし「冬のソナタ」という
韓国ドラマが流行った。
おそらく、どハマりしたのは
50代より上の世代。
ただ僕はこのドラマが好きで、
寒くなり始めると、
「人肌恋しい」ならぬ
「冬ソナ恋しい」気分になる。

冬のソナタというのは、
主人公のミニョン(男)と
ユジン(女)の愛の物語である。
その裏には実は、
サンヒョクという男の
悲劇の物語がある。

***

簡単にいうとサンヒョクは、
昔からユジンのことが好きだった。
晴れてユジンと婚約者となるが、
そこにミニョンが現れる。
ユジンはミニョンに惹かれていくので、
必死にサンヒョクは
ユジンを引き留めようとする。

しかしその努力は実らない。
頑張るほど傷つくのは
サンヒョク自身であり、
疲れ果て入院してしまうこともあった。

なぜサンヒョクの愛は、
幸せをもたらさなかったのか。
それはその愛が、
自立したものではないからだ。
自立していないひとほど、
愛に見返りを求める。

サンヒョクは、
ユジン以外になにもなかった。
ユジンこそが人生の全てであり、
自立した生き方ができていなかった。
だからこそユジンが
自分のそばから離れたとき、
何もかもを失ったかのように、
サンヒョクは感じてしまう。

愛というのはビジネスのように
対価を得る対象として
捉えるべきではない。
たとえば別れるとき、
そのときまでに
「してあげたこと」を求めるのは、
現実的にむつかしいように。

もちろん愛することによる、
対価を得ることもある。
しかしそれは
結果的に生まれたものであり、
求めるものではないのだ。

またサンヒョクの例は、
自立していないひとの愛を、
相手がしばしば「重い」と
感じることを表す。

あたりまえだ。

パートナーだとしても、
相手の人生を生きるのは
責任が重すぎる。
「そのひとのためにも〜」
というのが、
いかに重荷になるか。

僕らは自己実現のために、
無意識にひとを愛する。
「幸せな家庭を築く」
という自己実現には、
愛が不可欠。
しかし自己実現は、
愛が必ずしも必要ではない。

サンヒョクは、自己実現の全てが
ユジンを愛することだった。
そう考えると、
「愛から自立していなかった」とも言える。

冬のソナタはあくまでドラマであり、
いかにも韓国ドラマらしい
刺激的で誇張された内容が多いのだが、
それでも学ぶことがあると思った。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。
構成の良いドラマは何度も見ると、
新たな視点が生まれる。