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【書評】『職業としての小説家』なぜ村上春樹は小説を書くのか

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「職業としての小説家」
あの有名な村上春樹が書いたエッセイを読んだ。
久しぶりに読みはじめたらおもしろくて
手が止まらない。

「久しぶり」というのは、まえに読んだことがあるからだ。
ひとが評論するときは、いつだって客観的意見だ』というタイトルで、
このブログにも感想を書いたことがある。
2年前に読んだときも、大事だと思ったところには
”黄色のマーク”
を入れるようにしていて、
当時と比較すれば視点が変わったというか
「書くこと」の姿勢よりも、
「生きること」の姿勢を学ぶようになっていた。

1つだけ例えを出せば、
なぜ村上春樹は小説を書くのか。ということ。
この本に沿えば、
ーー「小説を書きたい」という個人的な強い思いがあって、そのうえ「ベストを尽くした」という満足感を得られる行為だからこそ、小説を書く
ということだった。
ひとことで表せば”村上春樹は、自分のために小説を書く。”
それは彼にとって、
彼が知る「最も幸せを感じられる方法」という認識でしかなくて、
それ以上でも、それ以下でもない。

実際のところ、村上春樹は「小説が書きたい」と思わない限り、
小説は書かない。
生活のために洋書翻訳をしたり、エッセイや紀行文を書いたりするみたいだ。

僕も、そういうふうに生きたい。
「書くこと」が好きだからこそ、
仕事にして生きようかなんて思ったこともあった。
でも僕は「自分が好きなことを好きなように書くこと」が好きで、
人からお願いされて書くことは好きじゃない。
つまり、僕にとって「最も幸せを感じられる方法」の1つとして、
「趣味として書くこと」があっても「職業としてのライター」はないのだ。

まずは「書きたい」という個人的な強い思いが募るのを待つ。
そして「ベストを尽くした」と思えるほど、文章と向き合う。
その行為を通して喜びを感じるために「日記のようなもの」を書こう。
それ以上でも、それ以下でもない。