シンプルがいいんだよォ #435

ぼくの部屋はよくシンプルだと言われる。そのメッセージは、極めて心地よい褒め言葉のひとつである。なぜならぼくは、シンプルな世界観を表現したかったからだ。

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一人暮らしというのは、自己満足にはもってこいだ。自分が欲しいもの、置きたいもの。なにをしたって誰にも文句を言われない。家賃を自ら払っている以上、好きにする権利がある。だからこそ自分の世界観を反映させる「ひとつの作品」とも思えるくらい、自分の欲求のまま表現できる。

ぼくの場合、シンプル・イズ・ベストという価値観を持っていた。それを証明すべく、一人暮らしの部屋もシンプルになっている。

シンプルとは、”ふつう”という概念と同義ではないと思う。ありふれたようにも思えるが、ありふれたものよりも洗練された状態にある。たとえば100円ショップで売っているハサミと、工芸品として扱われるハサミは全くの別物だ。ハンドルが黒色で、刃が銀色で同じだとしても、デザインとしての垢抜けた度合いは異なるだろう。

洗練されているかどうか、というのは「ぱっと見る限り」で判別できるとは限らない。語弊を恐れずいえば、ふつうにも見える。そんな特徴があるからこそ、生活の中に溶け込み、飽きずに長く使うことができる。

ぼくはそんなシンプルなものに囲まれ、生活してみたかった。そうしてずーっと使えるアイテムとの出会いを求め続けていきたい。シンプルがいいんだよォ。

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。