頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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おでんの卵と、ゾウ #476

JR高知駅改札の商用利用可フリー写真素材3710 | フォトック

・こんな話を聞いた。とある動物園は、ゾウが人気だそうだ。狭い園内にいるたくさんのゾウを目当てに、人が来る。週末になれば、開園前から長蛇の列ができて、みんな餌を買う。ゾウたちに餌をあげるためだ。その経験は子どもからすれば、貴重である。どれだけ列が長くても人々は餌を買うから、そのうちゾウは餌を食べないんじゃないか?と思う。しかしいつまで経っても、園内にいるゾウたちは餌を食べ続ける。

この話を聞いて、「ゾウは食欲旺盛だ」と片付けることができる。しかし「営業時間外に、全く餌を与えられていないのでは?」とも考えられる。(ゾウは十分な食事が摂れず、痩せこけているらしい。)噂では、その動物園は後者だと言われていて、その分浮いた食費を利益に回している。またそこは他の動物園と比較して従業員の数が少なく、清掃も不十分であるらしい。人件費も浮かせ、利益にしているのかもしれない。

そうして浮いた利益がどうなっているのかと言うと、一説によれば、外国の貧しい地域で学校を建てるお金に使われているようだ。これを「なんだ、いい話じゃないか」と思ったひともいるんじゃないか。僕はその話を聞いて、すごく悲しい気持ちになった。なぜなら目の前にいるゾウが苦しい想いをして、遠くにいるひとたちを笑顔にさせているからだ。

自分を強く求めてくれるのは、目の前の人であると思う。また「目の前のひとを悲しませている」と気づかずに、遠くに目線がいくこと。これがまた悲しい。目の前のひとの評価を大きく誤るひとが、遠くにいるひとを幸せできると思えない。まるで裸の王様のように、気持ちよく自分の世界のなかで生きるしかないのかな。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。おでんの卵について書くつもりが、着地を間違えた。