頭サビ9割

頭サビ9割

〜自分と向き合う時間〜

MENU

自分なりの「深夜特急」 #272

f:id:noad2203:20160705121630j:plain

・ネパール、バングラデシュシンガポールの三国での旅を終えた。どうしてバックパックをしよう、と思ったのか。そこには、やはり『深夜特急』という小説の存在がある。その本はバックパッカーからすると、言わずもがな、バイブル的な一冊だ。ぼくは「旅をする」と決める直前に読んでいて、影響を受けていたらしい。

深夜特急とは、もともとトルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの隠語であり、脱獄することを「ミッドナイト・エクスプレス深夜特急、深夜急行)に乗る」というらしい。筆者にとっての「深夜特急」とは、怠惰な日常から抜け出すことなのだろう。僕は筆者ほど迫られるように、深夜特急に乗る必要はなかった。それでも一読者として、感化された身として、自分なりの「深夜特急」に乗ったのだと思う。

「今までの自分が全く通用しない」状況で、自分をむき出しにし、新たな自分の一面を会得するため。つまり挑戦よりも、もっとチャレンジなことをしたいからである。社会人であることは、きっと、本質的に挑戦の連続であるのだ。この"学生の終わり"という節目に挑戦し、困難を乗り越え、自信を持った状態で社会人になりたい。

引用:なぜ、ネパールに行くのか。

皮肉にも旅の出来事より、その間に日本で起こったことのほうが「今までの自分が全く通用しない」ことかもしれない。旅では全く通用しない、という苦しさは殆どなく、予期せぬ状況においても頭を使ったり、「耐える」精神を保ったりしていた。この2つの対応は「就職活動」などでの苦しい場面においても役立っており、きっと社会人になってからも、ぼくの道しるべになるはずだ。

とはいえ「ひとりで異国を旅する」と決めるとき、旅をする前の自分は、何が起きるかわからず不安で怖がっていた。そして「今までの自分が全く通用しない」状況に陥ると思い煩っていたのである。そう考えれば、そんなネガティブな自分からの”脱獄”、という意味で「深夜特急に乗った」と言えるんじゃないか。

その上で今までの自分が通用しないなら、うまくやろうなんて思わなくていい。「うまくいく」と思うほうが間違っているのだ。ただ目の前の出来事を、気を抜かずに見続けることが大事と、特急の向かった先で学んだ気がしている。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。