頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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多面性の人格を知ろうとすることから、人間関係ははじまる。 #315

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「えー、はじめまして。よろしくおねがいします」

怒涛の自己紹介ラッシュ。自分の「魅せ方」に困っているのは、ぼくだけじゃない。

勤務を終えたあとに、同期と電話した。そのひとも同じように困っている。彼女は大学を卒業する間近に、インドに行った。ヨガが目的だった。ヨガをすると体の毒素がスラーっと抜けていき、心までもがキレイになるとか。彼女いわく、ヨガに出会って以来「新たな自分」になったようで、その自分の魅せ方が分からないらしい。

「新しい自分」になる前の彼女は、僕の知っている限り「活発なひと」だった。明るいし、うるさい。そのひとがいれば、まわりの笑顔が絶えなかった。すごく魅力的だったなあ。でも今は「おしとやか」になってしまったようで、少し悲しい。明るいけど、ひっそりとした彼女にある活発さは、ヨガによって消えてしまったのか。

ぼくは、「活発」な部分を忘れてしまったのではないか、と思っている。というのも、こんな話がある。「減塩ラーメンを選びますか?」という調査に対して、大多数のひとは「はい」と答えた。しかし数字的に背中を押され、売り出された減塩ラーメンはなんと、まったく売れなかったのである!しかしそのイメージとは真逆の価値観である、激辛ラーメンが驚くほど売れたのであった。

この話から分かるのは、ひとの中には複数の人格が存在することだ。「やっぱり、ヘルシーが一番だよねェ」という理性的な自分と、「うわぁ、カラダに悪いもん食いたい」という野生的な自分。これらの人格は共存する。彼女にとって「おしとやかさ」とは、ある種「理性的」な部分であり、活発さとは「野生的」な部分だったのだと思う。ヨガという強烈な体験で理性的な人格が開花し、野生らしさを忘れてしまったんじゃないか。

それでも、きっと思い出せる。いつまでも自分の中には、いろんな人格がいるはずだから。彼女の場合だって、ヨガによって染められるほどパンチの弱い「活発さ」ではなかった。もしかすると「こうありたい」という願望から、自身で「おしとやか」を選んでいるのかもしれないけど、僕はあの「活発さ」が大好きだし、また見たいなあと思う。

一面性ではない、多面性の人格を知ろうとすることから、人間関係ははじまる。そうであるなら、あんまり考えなくてもいいかもしれない。自己紹介で「自分をさらけ出す」なんて、無理なのだ。まずは、「ひとつの自分」を知ってもらうこと。それからはじまり、少しずつ関わりながら「新たな自分」を知らせていこう。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。