頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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お寿司みたいな組織にいると、つけ麺が食べたくなる #314

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・要は、振れ幅なのだ。

ぼくが働きはじめた企業は、異常だなあと思う。というのも、圧倒的な居心地の良さがあるからだ。雰囲気づくりは、新入社員を歓迎するために取り繕われたチープなものではなく、長い時間をかけて作られたもの。そしてこれからも、続くんじゃないかな。そう思わんばかりに、ぼくは気持ちよく働けている。いまはリモートワークゆえに、コミュニケーション量は多いとはいえない。それに研修の段階だから”お客様扱い感”はある、まだね。だけど改めて言わせてもらえるなら、この組織は異常である。

ただ「そんなところ」でいると、あの組織が懐かしく想えてくる…ああ、ぼくが初めて働かせてもらった、思い出深い「フィリピンの会社」である。引き合いに出すのは申し訳ないけれど、ぼくはフィリピンの会社も好きなのだ。そこの採用はけっこうゆるくて(労働市場の規模が違うため)、個性があれば働けるような印象がある。今働いている会社と違い、コミュニケーション・ベタなひともたくさんいる。それにフィリピン人もいるので、根っこの価値観も違う。日本人でも海外就職ならではの「毒々しさ」がある。

そこでは基本的に”気の合わない(合うはずのない)”ひとたちが、仕事(商品サービス)を通し必死になって繋がろうとしていた。なぜならその仕事は、決してひとりではできない「夢」を売る仕事だからだ。それはたぶん厳しい書類や面接によって選出された、似た価値観を持つひと同士が働く企業にはない苦労と、素晴らしさがあったように感じる。前提として「仕事でしか、繋がれない」という感覚を今では思わないからこそ、フィリピンの会社が恋しくなってくる。ああ、そういう会社もよかったなあ、と。両社における組織の雰囲気は、相対評価を得られないほどに対照的なのだ。

あえて例えてみれば、今の会社はお寿司である。お寿司は、シャリとネタの温度が近いほうが良いとされている。口の中に入れたときに「ジュワァ」と旨味と甘味がゆっくり、あたたかく広がっていく。そのように理念によって統合されたひとたちが、似た熱量を持って働いている。一方でフィリピンの会社は・・・つけ麺かもしれない。熱々のお湯で茹でた後に、あえてキンキンに冷えた氷水にぶっこむわけでしょう。正反対の行為を通して「うまさ」が生まれるあたりに、異質揃いが成果を出すあの会社に似ている。

正直に言うと、今はつけ麺が食べたい気分だ。あのデコボコした組織、要は、振れ幅なのだろう。とはいえお寿司を毎日食べられるから、つけ麺が食べたいんだろうね。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。