ていねいに「ホワイ・ユー・ナウ」 #372

・研修ではずっとテレアポ、いわゆる電話営業をしているけど、電話ごしに人を感化させるのは難しい。勧めるサービスに対し、「それ、いいですね」と言ってもらわなければならない。だから、いろいろと営業のノウハウをもらっては、電話ごしに試してみる。そうして使えるものだけを残していき、ナレッジとして昇華させていく。

最近、使えるなあと思ったのは「ホワイ・ユー・ナウ（Why You Now）」だ。おそらくこれは「Why I talk to you now」の略で、なぜあなたに今、話すのかを考えることである。営業において、この「ホワイ・ユー・ナウ」の視点は大切だとされ、相手を感化させる入り口になる。

というのも、ひとは「自分」に関係のない話や、「今」と関係のない話に興味を持つことはむつかしい。興味のないことで「感化」、つまり人に影響を与えて心・行いを変えさせること、というのはどう考えてもできない。だからまず興味を持ってもらうために、相手と自分の話の接着点が「ホワイ・ユー・ナウ」で生まれる。

電話営業に限らず、ふだんの会話でさえ「ホワイ・ユー・ナウ」は役に立つ。例えば、好きな音楽の話になったときに、なぜ桑田佳祐の『可愛いミーナ』を勧めるのかについて「あなた」に勧める理由と、「今だから」こそ勧める理由を加えて話せば、興味を持ってもらいやすい。どうせ話すなら興味を持ってもらったほうが、うれしい。

そんなふうに、ていねいに「ホワイ・ユー・ナウ」を思考し、相手に説明することで、話は通じやすくなる。その話が通じた先には、相手との共感が生まれ、心を動かせるんじゃないか。だから、やっぱり「ホワイ・ユー・ナウ（Why You Now）」は使えるなあと思った。

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。