頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

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みんなのオリンピック

green and brown trees near city buildings during daytime

・もうすぐはじまるみたい。オリンピックが。

ちょうど就職を終えた頃、ぼくは自分たちのことを「オリンピック世代」と読んでいた。金メダルのように光り輝き、アスリートがひたむきにプレーした姿のようにメモリアルな世代であると。そう思いたかった。自分を重ねて誇り高くいられるほど、オリンピックが開催されることを喜んでいた。

しかし、いつからかオリンピックは煙たがられる存在になって、開催されることすら望まれなくなっている。開催自体が1年遅れたこともあるけれど、自らをオリンピック世代と呼ぶものはいない。ひとつ下の世代でさえ、言っているひとを探すほうがむつかしい。ぼくがお父さんになったとして、子どもに東京オリンピックは良かったと言えるのかな。

たぶんあらゆる「おもてなし」は満足にできなくて、選手が試合に合わせてピークをつくる環境もたぶんなくて、たのしい観光や買い物はもちろん止められていて、それでも東京オリンピックは、もうすぐはじまります。「2020」という去年の数字をつけたオリンピックが。たぶん、ほとんどの人たちが、賛成という気持ちと、反対という気持ちの両方を、濃くあるいは薄く持っている。あんなにたのしみにしてたのに、という記憶も消えてない。チケットの申し込みに夢中になったなぁ、とかね。中止にするならすればいいと、考えたこともありました。台風の進路よりも、コロナの影響はわかりにくかった。理屈では、人が止まれば、ウイルスも止まるのですが、人びとがなにを思い、どう生きるつもりなのかについては、コントロールできないことばかりだったから、うまくいくこともあったけれど、いかないこともあって、正邪と巧拙とがややこしくからみあって時間が過ぎた。
今日のダーリン(2021年7月20日)より引用

それでも、オリンピックがはじまる。ああ、今後感じることのない「母国での祭典」に胸を踊らせたい。そして、最後に「なんだかんだ、たのしかったねえ」って、3年に1回くらい話に上がるような思い出になるといいな。やっぱり、子どもに向かって「オリンピックって良かったぜ」って言いたい。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。オリンピックの期間くらい、バカみたいに平和でいようぜ。